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サラリーマンが量子力学を勝手に解説する無謀な記事1

こんにちは、量子力学について勝手に解説します。

本稿は量子力学の成り立ちなどには深入りせず量子力学の論理体系の解説に主眼を置きます。

とはいっても量子力学の成り立ちについて少しは触れておきます。それまで物理学は解析力学、熱力学、電磁気学によって完成された学問とされていました。しかし、19世紀後半から20世紀初頭にかけて発見された黒体輻射、光電効果、2重スリットetc.はどうしても当時の物理学では説明がつかず、そこで紆余曲折を経て構築されたのが、量子力学、というわけです。

これら現象の詳細は各物理学書を読んでいただきたいのですが、これらから判明した事実を並べると

  • 「それまで粒子と思われていた実体は波動性をもつ。逆も然り、すなわちそれまで波動と思われていた実体は粒子性をもつ。」
  • 「それまで位置や運動量、エネルギーといった物理量は確定した量と思われていたものが、実は測定するたびに値がばらつき、確率的に分布する量であることが判明した」

となります。

天才たちが紆余曲折しながら考え出した結果、量子力学は新たな描像を得ることになります。それをざっくりまとめたのが以下の比較表です。

古典力学量子力学
状態相空間の点
\( (p,q) \in \mathbb{R}^6 \)
ヒルベルト空間の点
\( \psi \in \mathcal{H} \)
物理量\( (p,q) \)の関数 \(\mathcal{H}\)上の自己共役作用素
物理量の観測確定した値確率的に分布
時間発展\( (p,q)=(p(t),q(t)) \)が
時々刻々変化
\( \psi \)もしくは自己共役作用素
が時々刻々変化
古典力学と量子力学の比較

初見ではさっぱりかと思うので、以下補足していきます。
まずは状態と物理量からです。

古典力学では「空っぽの空間に粒子が時々刻々飛び回る」描像になります。これは直感的にも至極まっとうな描像です。これをもう少し古典力学っぽくいうと

「粒子は位置\(\ q\)、運動量\(\ p\)が時々刻々確定した値を持つ。すなわち\( \mathbb{R}^3\times \mathbb{R}^3 \ni q\times p = (q,p) \in \mathbb{R}^6\)の空間に値をもち、これが粒子の状態を表す」

という表現になります。古典力学では、任意の物理量は位置と運動量の関数で表せるので、位置と運動量を基本的な変数におく、という考え方からきてる感じです。

一方量子力学では、状態の記述にヒルベルト空間を用います。なぜこんな抽象的なものを持ち出す必要があるのかですが、これは物理量の観測値が確率的に分布することをうまく説明できるような理論を探した結果、ヒルベルト空間上の自己共役作用素のスペクトル分解が最も簡潔だったためになります。
※最初に量子力学にヒルベルト空間論を持ち込み自己共役性を課したのは、天才数学者ノイマンになります。

次に時間発展についてです。古典力学では相空間\( (p,q)\in \mathbb{R}^6\)上を動き回るイメージですが、量子力学では「状態」もしくは「物理量」が時間変化する形になります。具体的にどのように時間発展するかは別の記事で説明したいと思います。

今回は短いですがここまでにします。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
質問等はコメント欄かお問い合わせにておねがいいたします。

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